Our Story
高品質のファゴットをより多くの人の手に──
すべてはひとりの演奏家の想いからはじまりました
ファゴットは独特の音色を持つ木管楽器です。豊かな響きと、コンサートホールの隅々まで届く、通りの良い音色に加え、広い範囲の音域をカバーできるという特長を持ちます。独奏から室内楽、吹奏楽、オーケストラにいたるまで、様々な編成に彩りを添えることのできる楽器として、必要不可欠な存在になっています。
しかしながら、従来のファゴットは、学校などの団体、ましてや個人が簡単に購入できない価格帯のものがほとんどでした。さらに、価格に見合った音色や音程を持たない製品も少なくなく、これらがファゴットの普及を妨げる大きな原因であると考えたのです。
「ファゴットは高い、だから普及しない」という常識を覆して、素晴らしい楽器であるファゴットを、より多くの人に届けたい。そのために、高い品質と入手しやすい価格の両方を実現したファゴットを作ろう。自身がひとりの演奏家でもあった創業者、竹田雄彦の情熱から、Takeda Bassoonは誕生しました。
ファゴットの設計・製造において、Takeda Bassoonが最も重要視しているのは、音程のバランスと心地よい吹奏感、そしてウォーム・サウンド(温かみのある音)の実現です。これはファゴットの魅力を熟知している演奏家として、どうしても譲れない基準でした。
そのために、ボディに使用する木材は自然乾燥で10年以上寝かせ、テナー・ジョイントとダブル・ジョイントの内部には天然ゴムを使用。さらに、すべてのキーに銀メッキを施し、イタリア製のタンポと、上位機種にはすべて純銀のトーンホールを採用。ボーカルは医療機器メーカーとの共同開発によって日本国内で製造を行うなど、音色を大きく左右する各パーツの品質保持に心を砕いています。また、手の小さい方が演奏しやすいモデルも製作し、ファゴット普及への貢献も続けております。
東京都内の製作工房で行われる、最後の組み立てと調整の工程は、設計者である竹田自らが担当。試奏を繰り返し、細心の注意を払って、ひとつひとつ大切に完成させています。
これまで、様々な試行錯誤を重ねながら、ファゴットの製作を続けてまいりました。現在では、世界30数ヶ国の、学生やアマチュア演奏家だけではなく、音楽大学を目指す学生や、世界で活躍するプロフェッショナルの演奏家の皆さまに愛用されております。
Takeda Bassoonはこれからも、高品質なファゴット、そしてコントラファゴットを世界に向けてお届けいたします。
竹田雄彦[たけだ・ゆうひこ]
東京藝術大学音楽部器楽科卒業、同大学院修了。在学中、東京佼成ウインドオーケストラ入団。ミュンヘン国立音楽大学留学。帰国後、東京フィルハーモニー交響楽団入団。在団中は東京フィルハーモニー交響楽団のトップメンバーで構成される木管五重奏団「フィルハーモニーカンマーゾリスデン」の活動も活発に行い、NHKテレビ、ラジオに数多く出演。16年間の在籍の後、ファゴット製作を始め、株式会社タケダバスーンを創業。現在に至る。